家元。
国立文楽劇場で催された立川生志真打ち披露公演に向かう。
立川志の輔師匠独演会昼夜公演の間である昼3時半に詰め込んだ無駄のない公演、節約主婦並みの無駄ない立川一門…、それだけでニヤニヤする。
立川談春師匠も登場。
著書「赤めだか」の青春っぷり熱情っぷり、つまり落語のロマンチックさに痺れてしまった。
談志師匠がおっしゃるところの「落語とは人間の業の肯定である」という言葉。
赤穂浪士でいうと討ち入りせずに逃げた浪士を主役にするのが落語という説明は、非常にわかりやすい。
この日も談春師匠は、平日昼間から来ている満杯のお客さんを「こんな時間に来ていて皆様かたぎですか?!不況なのに、こんだけの人が平日昼間から落語を見に来ているなんて、大阪は大丈夫ですか?!」と笑わせる。
やらなきゃいけない事をやらない、寝ちゃいけないのに寝ちゃう、呑んじゃいけないのに呑んじゃうなんていう駄目な人を笑って認めてあげるのが落語なのかと、またひとり納得する。
後、談春師匠の枕のロマンチックさが好きなんだよな。
談春さんばっか書いちゃった、いや志の輔師匠のガッテンとは全く違うどっしり構えたゆとり、間をしっかり置いた話術に魅了される。
生志さん真打ち披露口上では、談志師匠物真似まで披露。
最後、我々も含めて三本締めも行う。
自分は何もしてないのに粋な気分になれた。
また、談春師匠の紺屋高尾のCDを聞こうっと。
それにしても仲入りに慌てて食べた幕の内弁当は美味しかった。