爆発中〜鈴木魂後編〜。
っていうか、もう、あれから1ヶ月以上経っている。
当日もわざわざ来てくれた京都ミューズホール行貞店長からも、先日「たいがい遅い!」と叱咤されたが、すいません!
さて、後編始まります。
ミドリに初めて出逢ったのは4年前であり、ここ1、2年で大きく状況が変化したバンドでもある。
メジャーレコード会社と契約をして、日比谷野音を一杯にして、新しいファンをたくさんつけた。
あまりの成長ぶりに驚きつつも、嬉しいのも事実。
初めて逢ったころ、僕は毎回ミドリのライブを観るたびに泣いていた。
その頃のまりこちゃんは人に呼ばれての対バンはもちろん、自分とこ主催のライブであろうとも常に自分の存在を必死に必死に訴えていた。
来てくれた全ての人に自分を知ってもらおうと、それはそれは熱情剥き出しで、その気迫に心意気に僕はいつも泣いていた。
対バンでは相手を食おうとする力強さ、本当に凄かった。
ここ1、2年でミドリという名前は知れ渡り、必死に訴えかけなくてもお客様はミドリをしっておりミドリを観に来るようになった。
だから、必ずあった長いMCもどんどん少なくなり、演奏をメインに観せるライブになり、貫禄すら感じるようになった。
リハでも感じていた事だが、今回のライブ、ミドリはSCOOBIEに完全に勝ちにいこうとしていた。
そのスタンスが僕は嬉しくてたまらなかった。
怒涛のスピードで飛ばしていくミドリ。
セーラー服を脱いだまりこちゃんは、まるで鬼のようだった。
轟音の洪水が凄い速さで浴びせられていく。
玲子もじっとバーカウンター内で観ている。
曲も新しいもが中心になってきていて、とんでもないスピードでミドリが成長していることがわかる。
そんな中、聴こえてくる「あんたは誰や」。
深く深く心に突き刺さる。
この日、最近のまりこちゃんには珍しく終盤で長いMCをしたらしい…、らしいというのもちょうど僕は次の準備で上にあがっていたからだ。
この年で音楽に対してフラットになれたという事を話していたとのこと。
6月のクアトロイベント時、僕は鈴木魂の告知を兼ねて、まりこちゃんインタビューを行なった。
そこで彼女は、こう言っていた、実際に原稿にもなった言葉である。
「ライブは、落ち着かへんよ。
なのに、何でやるんやろ。
変やな(笑)。
ライブは好きやけど、緊張するし。
楽しいときもあれば、しんどいときもある」
それでもライブをやり続けるし、この日のまりこちゃんは、より全てを出し尽くした、ぶつけてくれた感じがあった。
ミドリ演奏終了後、僕は楽屋に登る階段で、まりこちゃんと言葉を交わした。
あまりにも本気で誠実なライブをしてくれたまりこちゃんに対して、嬉しさが一杯で僕はボロボロ泣いてしまった。
いいバンドに出逢えたなと心底思ったし、成長過程を見れたのは本当に幸せだと思う。
「相変わらずロマンチックやな〜」とまりこちゃんは、ボロボロ泣く僕を笑っていた。
残すはSCOOBIE。
その前にコマーシャル!てな感じでチョップリン企画の幕間タイム。
幕間まで気を抜かない抜かせない祭にしたかったのだが、ミドリの6月のイベントでチョップリンはMCとして幕間に各バンドからもらったオリジナルプレゼントをジャンケンで観客に贈るという企画をやってくれた。
そん時のお客さんの嬉しそうな顔が忘れられなくて、プレゼント企画は絶対にやりたく、チョップリンにお願いをしたのだった。
ただ、シンプルなジャンケンではなく、何か考えようかということで考えてくれたのがイントロクイズ。
白ガムテープで口を押さえられ、唇部分ガムテープには赤でバッテンのガムテープを貼り付けられた小林君と僕が、西野君が出すお題の曲をフガモゴフガモゴ歌いお客さんに当ててもらうというもの。
賞品はSCOOBIEがミニミニミニミニ特製マラカスサイン入り、ミドリがサインイラスト入り冬瓜、チョップリンが小林君愛用チャリチェーンキーサイン入り…と全員けったいで愉快なもの。
良きクッションタイムになる。
そのコーナー終わり、SCOOBIEまで又新たな企画を用意した。
最初、そこはBGMを鳴らしていくだけでよいと思っていたのだが、男湯兄さんから「何かしましょう。もったいないですよ!」と言われて、本番2日前に悩む。
この夏、色んな人にこう声を掛けられた。
「『たかじんのそこまで言って委員会』を観たよ!」
テレビジョン仕事で公開取材をしたのだが、人気番組だけあって反響が凄かった。
予想以上に尺が長いのもあって、本当にみんなに言われた。
本人何も考えず淡々とやっていただけに、面白かったのだが…、じゃあ、それの完全版を垂れ流してしまえ!
っという事で、サイドの壁スクリーンに延々と15分流すことに。
みんな、何なの!?と思いながら、ひたすらスクリーンを呆然と見ていた、その光景は中々シュールであった。
そして、遂にSCOOBIEの登場。
いつものSEが流れる。
いよいよ、鈴木魂は佳境…、次回へ続く!