NOW。
99年1月若干20歳のひとり身の私はひとり、今は亡きベイサイドジェニー(at天保山)へ「太陽の翼」というイベントを観に行った。
出演者はイギリスのトラッシュキャンシナトラズ(まぁ、スコットランド出身なんですが)、日本のサニーデイサービス、日本のノーザンブライト(新井ギャルでお馴染み新井仁さん!)の3組。
その日のサニーデイはいつも以上にライブがタイトでかっこよく痺れたのを覚えている。
3組でサニーデイの「コーヒーと恋愛」をやったような、やらなかったような。(サニーデイと新井君でやったのは覚えている)
イベントは非常に90年代的な曖昧で緩やかなラブ&ピースな雰囲気で、気持ちよく魔法にかかったのを未だに覚えている。
帰りの電車、本町乗り換え改札口でライブ帰りのカップルが別れを惜しむかのようにキスをしていた。
自分に恋人がいようといまいと関係なく楽しそうなカップルが大嫌いという心の狭い私からしたら、石を投げてもいいカップルの行為。
ところがどっこい、すっかり「太陽の翼」の魔法にかかっていた私は、「素敵じゃないか」なんて思う優しさがあったのだ。
そんな感情を抱いたカップルの行為は、もちろんそれから一切ない。
そこまで穏やかになれるくらい、あのイベントは特別なおものだった。
11年と2ヶ月経ち32歳になった僕は、クアトロでトラキャンとサニーデイの対バンを観る。
2度と観れない思っていた対バン…、そりゃそだなサニーデイ解散したんだから。
復活後初のサニーデイ3人大阪揃い踏み、もう懐かしさでフラットに判断はできないんだけど、相変わらずのメロディーの美しさに泣けた。
トラキャンも何も変わってなくて、美しい。
あん時のキスカップルおるんかななんて思いながら、OVER30な客席を見渡す。
あん時は雲の上だった曽我部さんも5年前に自分のイベント「曽我部★ポルノ」(小籔さん、レイザーラモンのビッグポルノとの対バンオールナイト祭)に出て頂いた事をきっかけに、取材をさせてもらったり、話させてもらえる関係に。
未だに緊張して、思っている事の800分の1しか喋れないけど。
何なんだろう青春も歳を取るんだなと、自分の青春トラウマバンドの復活を見て、そう思ったのだ。
だって、あれから11年、僕32歳ですから。
ライブ後、すぐに電車に乗らなかったのもあって改札でキスカップルアゲインなんていう光景には出逢えなかった。
今の僕なら、その光景を観て、どう思ったのだろうか?
リトマス紙的感覚で試したかった気持ちもある。
割り込んで3人でキスしたりしてね…ってばかやろう!
ばかは死んでも治らない。
生きてやろうじゃないか。
お後がよろしいようで。
BGM=「NOW」