Raspberry。
初夏っていうか、もう夏なんじゃないの!?
汗っかきの僕は、もう夜はクーラー付いてないと寝れないし、アイスノンで首を冷やすなんていうオプションまでしている。
寝る前は勿論アイスキャンデー。
オカン玲子と、バリボリとアイスキャンデーを食いながら、ふと思い出した。
あれは25年くらい前、僕が小学校2年の時の話だ。
近くのスーパーへ買い物のお手伝いで行き、ご褒美でソーダアイスキャンデーを買ってもらった僕は「家へ帰るまで我慢!」を標語にお利口に帰った。
車を降りた瞬間、スーパー袋からソーダアイスキャンデーを取り出し、包装をビリバリ破り、勢いよき門を開けて、ドアまでダッシュした瞬間…、悲劇は起きた。
アイスキャンデーは僕の手をするりんと抜け、土の地面へドッピンシャンと落ちた。
青いソーダアイスキャンデーは一瞬で、茶色いチョコレートアイスキャンデーに求めてもいない進化を遂げた。
泣きじゃくる僕。
「貸してみな!」、まるで粋のいい江戸っ子姐御のような声が庭に響き渡る。
ササッと僕の手から茶色いチョコレートアイスキャンデーに成り下がった青いソーダーアイスキャンデーを取り上げると、まるでカメレオンかの如く玲子は無心に舐めまくった。
「ほら、もう大丈夫!」、そう言って渡された。
愛する息子のため、土だらけのアイスキャンデーを舐めるという自己犠牲という美しくも聖なる行為で、まっさらのソーダアイスキャンデーの状態に戻してくれた玲子。
が、目の前には青いソーダアイスキャンデーではなく、真っ赤なラズベリーアイスキャンデーが……、玲子の唇を見てみると口紅が完全に取れていた。
僕は玲子にバレないように真っ赤なラズベリーアイスキャンデーを草むらに捨てた…、それも今となっては、ちょっとE話。
そんな玲子も本日6月24日、63歳の誕生日を無事に迎えました。
帰りにアイスキャンデーでも買っていくか、もちろん真っ赤なラズベリーアイスキャンデーを。
お後がよろしいようで。
TRICERATOPS「Raspberry」