〜第二期初恋に捧ぐ〜

初恋の嵐ライブを観に、心斎橋ジャニスへ。


かみぬまゆうたろう君は若いミュージシャンながら選ばれ、それもトップバッターに。


斬り込みを任されたかみぬま君は、『どこでもドア』『真夏の夜の事』という難易度高い楽曲を、まるで自分の歌の様に自然に歌い上げる。


西山さんが亡くなっている事を思わず忘れさせてくれた若い歌い手に、ただただ感動してしまう。


二番手はモーサムトーンベンダーの百々さん。自らロックンロール隊長と名乗り、初恋の嵐がエモーショナルなバンドである事を再認識させてくれる。


西山さんに断りを入れた上で、歌詞を変えて歌うという新機軸には驚いた……。


昔の楽曲をただ単にゲストボーカルがカバーするなんていう生温いもんではなく、このバンドは進化し続けているバンドなんだというを教えられる。


来年はモーサム20周年……ライブ後『モーサム楽しみにしてますから』と伝えたら、『うん!』と力強く返してくれて嬉しかった。


欲を言えば、百々さんの『真夏の夜の事』を聴きたい。


そして、三番手はセカイイチの岩崎慧君。ゲストボーカルとしてはお馴染みの人であり、みんなの弟分だった慧君も気が付けば、32歳……。


もはや座長の貫禄もあり、かみぬま君百々さんに明らかに触発された感が伝わってくる。自信みなぎるステージングに惹き付けられた。


『俺がやらなきゃ、誰がやる!』が、とにかくとにかく伝わってくる。ライブ後、久しぶりにゆっくり話をできたが、昔より、よりエネルギッシュで大人のやんちゃ坊主の凄みが出ていた。早くセカイイチの新作も聴きたい。


そして、鉄壁の演奏陣。新作『セカンド』のスケールの壮大さが完璧に表現されている。全曲西山さんが残した楽曲だが、第二期初恋の嵐を観たと感じたし、始まったばかりだと……この進化の遂げ方は凄まじい。本当に日本のレディオヘッド……それだけのサウンドを間違いなく鳴らしている。


『セカンド』でドラムの鈴木さんベースの隅倉さんが歌う楽曲が本当に素敵で…西山さんに寄せながらも、そこから何か別の世界を見せてくれる感じで…。


だからこそ、その2曲を聴いた時に、ずっと初恋は続く…進化形だと想えた。


ライブでも、ふたりが歌う楽曲は特別な空気があった。


去年6月の『初恋のドゥー』は盟友SCOOBIE DOとの共演でもあったので、どこか西山さんを想いだし、何とも言えない涙が溢れたが、今回は輝く未来しか見えない喜びに嬉し涙を流す……そんな感じだった。


それから対バン相手を務めたボールズ。緊張しか無かったと想うけど、実直に不器用にまっすぐぶつかった姿は潔かったし、清々しかった。


新曲2曲が今までにないサウンドな上に、何の偽りもない言葉が突き刺さってきた。


隅倉さんの事前予告通り、ボールズは初恋の嵐にメッタメッタにやられたけど、素敵なロックンロール可愛がりだったし、あの完敗は胸を張れる完敗だなと。


後、、余談だが、西山さんと同い年で2002年3月に、西山さんが亡くなった時も1週間前まで一緒にツアーを回っていた当時のイベンター担当である清水音泉田口さん。


その田口さんが数年ぶりに初恋現場へ現れた事が何よりも印象深い。


西山さんが亡くなられてから、田口さんは色々な想いがあっただろう……。


そんな田口さんが隅倉さんに『おー久しぶり!何してたの?!』と楽屋裏で声かけられた時の……田口さんの照れた……どこか恥ずかしそうな顔は……これ以上観たら泣いてしまうと想い、その場を離れた。


青春時代を共に過ごし、一緒に未来を夢見た中、一度夢絶たれたかも知れない……そんな中での再会は他人事なんだけど、何か嬉しかったし、ぐっとくるものがあった。


それぞれの縺れた想いが再び重なりあった感慨深い瞬間であった。


初恋の嵐は昔から繊細なのに大胆不敵……そして、第二期初恋の嵐は始まったばかり。


良い宵を見させてもらいました。


初恋に捧ぐ……おあとがよろしいようで。


追伸
隅倉さんインスタグラムに、勝手に僕の写真をあげるのだけは止めてくださいね。