犬と猫と僕と。

4月12日火曜日夜10時〜深夜1時ABCラジオ『よなよな〜なにわ筋カルチャーBOYZ〜』は‥『番組2周年特別企画シリーズ』と題して、『中村一義180分一本勝負SP』をお送りします。
つまりレギュラー企画など全て取っ払い、中村一義氏楽曲と中村一義氏話‥そして先日収録を行なった中村一義氏ロングインタビューを軸に180分中村一義氏オンリーでお送りするのです。


僕は有難い事に、この16年の仕事生活で逢いたい人には全員逢えてきました。本当に幸せな事です。雑誌インタビューを始め、インタビューは無理でもライブ後の挨拶、イベントやフェスでのすれ違いなども含めると‥音楽とお笑いでいうと逢えていない人は本当にいないと想います。


ブルーハーツハイロウズクロマニヨンズのおふたり、ダウンタウンのおふたりという流石に無理だろうと諦めていた人たちにも逢えてきました。
ところが唯一、インタビューでも楽屋裏の挨拶や擦れ違いでも全く逢えていなかった人がいます‥その人が中村一義氏です。彼とだけは、ずっと関係性が演者とファンのままでした。想えば、彼との(一方的な)出逢いは衝撃的でした。


1997年1月でしょうか、おかんの車に乗っている時、僕はラジオから『ど〜う?』と呼び掛けられました、問い掛けられました。あの時の衝撃は、未だに忘れられません。覚えやすいメロディーで、覚えやすい言葉で歌われた、その曲は『犬と猫』という曲でした。


インディーズなどでの音源発表一切なく、ライブも行なった事なく、今後もライブを行なう予定は全くないという‥異例中の異例の中で彼はメジャーデビューを果たしました。音楽雑誌やカルチャー雑誌は一躍表紙にして、僕らキッズはネットもない時代ですから、必死に彼の情報を雑誌中心に集めたものです。
当時22歳になる直前の中村一義氏は『どう?』と世間に‥全ての人に問い掛け呼び掛け、『僕として僕は行く』は歌いきる姿には、当時19歳で今後どうやって生きていくかわからない関西のアホなカルチャーすがっている男子は、たまらなく背中を押されたものです。


彼の音楽は生き様でした‥ドキュメンタリーでした‥複雑な家庭で育ち、自分を見つけるために始めたひとりによる自宅録音で鳴らしだした音楽がメジャーデビューを果たし、まずは2年後に弾き語りでライブを行ない、その後には同世代のバンドマンとバンドを結成する‥僕は一切した事ないですが、RPGゲームでパーティーを増やしていく事って、こういう事なんだと勝手に解釈したくらいです。


あっ、ドラマ『北の国から』も良い例えかもですね。1997年初冬から始まった『実録 中村一義』は、2016年春また大海賊というバンド仲間を従えて動き出しています。そのタイミングで、僕は遂に雑誌、そして彼と出逢った最初のきっかけであるラジオでお逢いする事が出来ました。
19年間の想いを真っ直ぐにぶつけました‥面倒だったろうに、真っ直ぐと中村一義氏は受け止めてくれました。個人的には初めて聴く話もあり、ただただ興奮して感動しました、そして泣きました。


あまりにも、そのラジオインタビューが素晴らしく、少しでも多くの人にわかりやすく丁寧に伝えたい届けたい広げたいと想い、180分SPに至りました。まだまだ中村一義氏を知らない人もいると想います、だからこそ企画しました。


どうでもいい話だと想いますが、この企画で、僕の90年代カルチャーは完成すると想います。そして、また次へ歩めるように想えます。だからこそ、180分SPやらして頂きます。というか、実現へ向かうには多くの協力が必要でして、大変感謝しています。


いやいや、まだ終わってないし、ちゃんとしないといけないし、てか、とにかく明日は聴いて頂けたら嬉しいです。中村一義氏的に言うならば、『カジュアルな思想』‥が、そこにあると想います。


是非是非お聴きください。それしか言葉はありません。


鈴木淳史