『プロ小沢』とは。

ABCラジオ『よなよな・・・なにわ筋カルチャーBOYZ』第152夜は、2月21日でした。そりゃ、オープニングナンバーは『流動体について』を流すしかない。


去年のツアー時の大特集でも話したが、あのツアーは魔法的であり、大衆的であった。


表舞台から長年姿を消したと想われていた小沢健二が再度、俗にまみれた世間へ飛び出して暴れ出そうとする始まりの合図を告げたツアー。


そのツアーで一番言葉もメロディーも強かった『流動体について』が本格的な復活作になったのは、誠に納得がいく。


ただ、一番危惧しなければいけないのは、小沢健二ファンだけで馬鹿騒ぎして、彼を囲う事。僕らは彼が90年代、テレビやラジオや雑誌を賑わし、CMにも出演して、紅白にも出た姿を観た。あの現象をカミングバックさせたい。今回、彼がメディア露出を多く果たすのも、そういう意志があるはずだ。


音楽などのカルチャーが好きな若い世代でも、もはや小沢を深く知らない。ならば、音楽を無料でネットで垂れ流されるものとして暮らしている世間の人々からしたら、もっと小沢を知らない。


だからこそ伝える事、広げる事、届ける事が一番重要である。
目指せミリオン、目指せ紅白、目指せ国民的ポップスター。


彼の音楽には深みがあり、我々のような物好きは語りたくなるのに、大衆的にも売れていた事が一番の魅力だった90年代。あの現象を再びなのだ。


それが我々小沢健二好きの裏方の命題である。
伝説にしちゃいけない。



ミュージックステーション』を目前に控えた2月23日の小沢健二のコラム。


自分のファンの数が20年前から、オリコンチャート目安だと、1位ではなく、4位だと言い切る。もちろん1990年代と2010年代のオリコン1位とオリコン4位の売り上げ枚数に違いはあるが、『量』の例としてはわかりやすい。


そして、小沢は4位の人々の『質』を信じていてる。
1990年代の4位の人々の『質』が自分の歌を2010年代にも残るスタンダードにしてくれたと書く。20年かけて、4位が1位になったわけだ。


今も全国にショッカーのように潜伏する4位の皆さんに、『ミュージックステーション』生中継で『歌おう!』と呼び掛けるから、歌って欲しいと願う。その歌い声が歌い継がれ、結果スタンダードな1位となる。


テレビ生中継は全国にも届くからこそ、普段はオリコン1位〜3位の人々にも触れられるチャンス。そんな人々にも小沢の『歌おう!』が届き、少しでも多くの人々に伝わりますように、広がりますように。


特に小沢で青春を過ごした我々世代、そこに中途半端に影響を受けた我々の下世代には、興奮した狂乱だけで小沢を囲い悦に入るカルチャーマニアの人々、ちっぽけなプライドだけで小沢を批判して悦に入るカルチャーマニアの人々がいます。


そんなカルチャー村だけの儀式は辞めて、小沢健二を全国の心のベストテン第1位に輝かせましょう。私も方向性を間違わないように、姿勢を正して、小沢健二を応援します。


2017年の小沢健二と過ごすLIFEは、始まったばかり。



2月28日のABCラジオ『よなよな・・・なにわ筋カルチャーBOYZ』第153夜は、番組史上最多5度目となる小沢健二氏大特集。


2014年春の番組初夜と第2夜という始まりを飾ってもらうも、もちろん誰も聴いてなくて話題にもならなかった。


3度目は、2015年春。番組1周年記念で何気にやろかと想いきや、発表した翌日にライター大塚幸代さんの訃報が入ってきて、どうしても、そこに気持ち傾ける事になった特集に。


フリッパーズギター時代から誰よりも愛していたのに関わらず、ニューヨークアポ無し直撃取材を敢行せざるおえなくなり、小沢氏に睨みつけられたりしている内に真っ直ぐなインタビューをする事が出来ず、遂には亡くなった、その無念の想いの話を。


4度目は、2016年6月。言わずもがな、新曲中心のツアー『魔法的』。確実に再度シーンへ本格的に乗り込む勢いを感じ、『大衆的』なスターであることを改めて認識した、そんな話。


そして今回は、19年ぶりのシングル『流動体について』リリースのタイミング。ここに関しては、ただただ昔ながらのファンは90年代の亡霊として変な祭騒ぎをして小沢氏を囲わず、世代問わず多くの人に伝えて届けて広げて、万人のポップスターに昇りつめさせようと、そんな話をしたわけで。


自分は学生時代からサブカルチャーという極端だけどど真ん中を射抜こうとする表現者が大好きで、すなわち、それはカウンターカルチャーと呼ばれるもの。


なので売れたからと言って魂を売ったとファンが離れる話は好きじゃなかったし(まぁ、たまにほんまに魂を売り損なう輩もいるが)、何よりもファンが多くの人に知られたくないと囲うのが何よりも苦手だった。


後は人に多く知られてないカルチャーを知ってる自分が特別だ、偉いという間違えた優越感からくるファンのおごりも大嫌いだった。物語は好きだが、評論やジャーナリズムに酔いすぎて、


小難しいインテリでお高くとまるファンも勘弁して欲しかった。凄いけど凄く見せすぎない、そして、その凄さをポップに、大衆的に魅せるスター、ヒーロー、ヒロインが大好きだ。


自分も、そこに寄り添うファンでありたいし、ファンを通り越して好きなカルチャーの側にいたくなったから、そのカルチャーを伝えて届けて広げる仕事、つまり自然に裏方に就いた。


カルチャーは、あくまで娯楽だ、高尚じゃない特別じゃない、何も偉くない。


そんな自分の思い想いのルーツに真っ向から向かい合わせてくれたのが、小沢健二氏の特集。勝手に『プロ小沢』なんて造語も作りましたが、小沢氏をプロフェッショナルな想いを持って応援するなんていうメッセージを烏滸がましくも込めていたわけで。


まぁ、いつまでも熱情をはねっ返らせながら、強い気持ち強い愛を持てますように。


音楽の灯を少しでも長く灯しながら、常に感動のLIFEを進んでいきたいものだ。


自称『プロ小沢』の戯言、以上。おあとがよろしいようで。